自宅の外壁の塗り替えの塗料を選ぶときに、「水性塗料」と「油性塗料」の2タイプを目にしたことがあると思います。塗料には外装用、内装用に問わず、水性塗料と油性塗料の2種類があります。乾燥するときに水分が蒸発するものが水性塗料で、有機溶剤が揮発するものを油性塗料と呼びます。
今回はこの2種類の違いについてみていきたいと思います。
水性塗料の特徴
水性塗料は、水を主成分とした塗料のことを指します。屋内での壁や天井、フローリング、ドア、家具などの塗装に使用されることが多く、DIYなどでも手軽に使用することができます。
メリット
環境に優しい | 水性塗料は、溶剤を含まず、揮発性有機化合物(VOC)の放出が少ないため、環境に優しい塗料として知られています。 |
匂いが少ない | 水性塗料は揮発性有機化合物の放出量が少ないため、塗装時の匂いが少なく、室内での使用に適しています。 |
乾燥時間が短い | 水性塗料は溶剤塗料に比べて乾燥時間が短いため、作業時間を短縮できます。 |
色の安定性が高い | 水性塗料は、太陽光や照明による影響を受けにくく、色あせしにくいため、長期間美しい仕上がりを保つことができます。 |
色の選択が豊富 | 水性塗料は様々な色の選択肢があるため、自分の好みや用途に合わせた色を選ぶことができます。 |
掃除が簡単 | 水性塗料は水で簡単に洗い流すことができるため、塗装後の清掃が簡単です。 |
デメリット
耐久性が低い | 水性塗料は、油性塗料と比べて耐久性が低く、薄くなりやすいため、より頻繁に塗り直しが必要です。 |
塗りやすさが低い | 水性塗料は、油性塗料と比べて塗りやすさが低く、多くの場合、複数回塗る必要があります。 |
塗り直しが難しい | 水性塗料は、完全に乾燥する前に塗り直すと、塗装面にムラができる場合があります。また、塗料が完全に乾燥すると、再塗装することができなくなることがあります。 |
防錆性が低い | 水性塗料は、油性塗料と比べて防錆性が低いため、金属部分を塗装する場合には、防錆性が高い油性塗料を使用することが望ましい場合があります。 |
乾燥時間が異なる | 水性塗料の乾燥時間は、温度や湿度などの環境条件によって異なります。特に、湿度が高い場合には、乾燥時間が長くなることがあります。 |
色落ちしやすい | 水性塗料は、日光や風雨などの環境条件によって、色落ちしやすい傾向があります。特に、屋外で使用する場合には、定期的なメンテナンスが必要となります。 |
油性(溶剤)塗料の特徴
油性塗料とは、塗料の主成分が油である塗料のことを指します。屋外での塗装や、床材、鉄製品、外壁塗装などに使用されます。
メリット
耐久性が高い | 油性塗料は、水性塗料に比べて耐久性が高く、長期間にわたって劣化しにくい傾向があります。特に、外壁や屋根など、外部で使用される塗料には、耐久性が求められるため、油性塗料が選ばれることがあります。 |
覆いが良い | 油性塗料は、粘度が高く、塗膜の密着性が強いため、塗りやすく、塗膜の均一性が保たれます。また、汚れや色素が浸透しにくいため、表面の美観を維持することができます。 |
防水性が高い | 油性塗料は、水が浸透しにくいため、防水性が高いとされています。これは、外壁や屋根、床など、湿気の多い場所に適しているということです。 |
木材保護効果がある | 油性塗料には、木材保護効果があります。木材に浸透し、腐朽やカビ、虫害から木材を保護するため、木製建具や家具、フローリングなどに使われることがあります。 |
デメリット
乾燥に時間がかかる | 油性塗料は水性塗料に比べて乾燥に時間がかかるため、塗料を塗った後、乾燥するまで時間が必要になります。 |
匂いが強い | 油性塗料は揮発性有機化合物(VOC)を含むため、塗料を塗るときに強い匂いが発生します。また、塗料が完全に乾燥するまで、その匂いが続きます。 |
環境に対する影響 | 油性塗料は環境に対して負荷が大きいため、エコロジカルに問題があると考えられています。また、廃棄物として処理されると、環境に有害な化学物質を放出する可能性があります。 |
色あせや変色 | 油性塗料は、太陽光や紫外線によって劣化することがあります。これによって、色あせや変色が起こる可能性があります。 |
難しい清掃 | 油性塗料は水性塗料に比べて汚れが落としにくいため、清掃が難しいとされています。また、油性塗料を使用した後のブラシやローラーの清掃も、水性塗料に比べて困難であることがあります。 |
水性塗料と油性塗料の使い分け
水性塗料と油性塗料は、それぞれ特有の特性を持っており、使い分けることでより効果的に塗装作業を行うことができます。
水性塗料は、水を主成分とする塗料で、環境にやさしく、乾きが早く、臭いが少ないという利点があります。また、水性塗料は、油性塗料と比較して、塗料の重量が軽く、色落ちしないという特徴があります。そのため、屋内での塗装や、木製品、プラスチック製品、金属製品などに使用することが多いです。
一方、油性塗料は、油を主成分とする塗料で、耐水性・耐久性に優れ、木材や金属などの表面に密着するため、長期間にわたる保護が必要な場合に使用されます。また、油性塗料は、乾燥時間が長く、塗料の匂いが強いという特徴があります。そのため、屋外での塗装や、床材、鉄製品、外壁塗装などに使用することが多いです。
以上のように、水性塗料と油性塗料はそれぞれ特有の特性を持っており、使用する場所や目的によって使い分けることが重要です。また、塗料を選ぶ際には、塗料の性質だけでなく、塗装面の素材や状態、塗料の耐久性なども考慮し、適切な塗料を選ぶことが大切です。
最後に
水性塗料と油性塗料どちらにもメリットデメリットは存在します。使い分けにしても、ご自宅の環境や状況によって使うべき塗料は変わってきます。まずは専門業者に相談して判断するのがいいと思います。
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