家の外壁の塗装は定期的な塗り替えが必要ですが、塗り替えの時期がきたからといっていつでも塗装をしていいものではありません。というのも、お住いの地域によって外壁塗装の最適な時期が違うからです。塗装の時期を間違ってしまうと、せっかく新しく塗り替えたのに品質が悪くなってしまったり、施工不良を起こしてしまう可能性があります。
外壁塗装の時期は、一般的には気候の安定している春・秋がいいと呼ばれていますが、日本の国土は南北に伸びているため、大きくは6つの気候に分かれます。そのため、一概にも「春・秋がいい」とは言えず、地域によってはまったく工事ができないこともあります。
特に北海道は、本州などと比べるとかなり特徴的な気候となっています。では苫小牧市での外壁塗装に最適な時期はというと一番は初夏または秋の季節です。
今回の記事ではなぜ初夏から秋の季節が最適な塗り替えの時期なのかを踏まえて解説していきます。
外壁塗装を行える条件と前提について
外壁塗装は材料に樹脂を使います。塗料を塗布したのち、乾燥させて固めなければいけません。この硬化に影響を与えるのが気温と、天候です。
冬季の苫小牧市は、気温が大きく下がりますし、雪も降ります。気温変化の激しい土地柄といえます。このような苫小牧市の条件下でも外壁塗装は可能ですが、気候条件などが重要になることを理解しておく必要があります。
塗装場所の気温が5℃未満、相対湿度が85%以上、もしくは換気ができず結露して乾燥に向いていない条件のときは塗装作業に着手しない。やむを得ず作業するなら、採暖や換気をする。
気温が下がった状態や高湿度になると塗料が伸びにくくなり、硬化不良や仕上がりのムラを起こす原因となります。悪天候で湿度が上昇していると、塗装面が濡れてしまう。雪が降って壁面に雪が付着するようなときも同じです。
外壁塗装の塗料には樹脂を使っていますが、濡れていると塗装面に対する付着力が弱まります。うまく密着できないと、あとから剥がれ落ちてしまう状況が考えられます。
つまり、こうした気温や湿度の条件は、施工に適していません。
- 外壁に結露が発生し塗装できない
- 乾燥まで時間がかかり工期が長引く
- 固まるまでの間にほこりや水滴がついてしまう
- 硬化前の塗料に水分が染み込んで塗膜が白化(かぶり)する
苫小牧市の外壁塗装に適した条件とは
苫小牧市の気候
月 | 平均気温 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 降水量 | 平均湿度 | 日照時間 | 降雪量 | 降雪日数 | 霧日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1月 | -3.6℃ | 0.5℃ | -8.1℃ | 38.7mm | 70% | 142.0h | 42㎝ | 23.3日 | 0日 |
2月 | -3.2℃ | 0.9℃ | -7.9℃ | 37.5mm | 70% | 144.7h | 42㎝ | 21.1日 | 0.5日 |
3月 | 0.5℃ | 4.4℃ | -3.7℃ | 53.5mm | 71% | 165.6h | 26㎝ | 20.3日 | 2.1日 |
4月 | 5.3℃ | 9.6℃ | 1.3℃ | 75.7mm | 74% | 173.5h | 2㎝ | 6.4日 | 3.4日 |
5月 | 10.0℃ | 14.1℃ | 6.6℃ | 130.8mm | 79% | 171.9h | 0㎝ | 0日 | 6.7日 |
6月 | 14.0℃ | 17.3℃ | 11.5℃ | 111.6mm | 86% | 119.7h | 0㎝ | 0日 | 9.6日 |
7月 | 18.2℃ | 21.0℃ | 16.1℃ | 163.5mm | 88% | 108.1h | 0㎝ | 0日 | 10日 |
8月 | 20.4℃ | 23.4℃ | 18.0℃ | 197.5mm | 86% | 122.2h | 0㎝ | 0日 | 6.4日 |
9月 | 17.8℃ | 21.7℃ | 13.8℃ | 174.9mm | 80% | 153.1h | 0㎝ | 0日 | 2.6日 |
10月 | 11.5℃ | 16.2℃ | 6.4℃ | 113.2mm | 74% | 156.0h | 0㎝ | 1.2日 | 0.7日 |
11月 | 4.9℃ | 9.2℃ | 0.2℃ | 85.7mm | 71% | 127.1h | 4cm | 9.7日 | 0.5日 |
12月 | -1.2℃ | 2.8℃ | -5.4℃ | 56.6mm | 70% | 127.6h | 29cm | 20.8日 | 0.1日 |
塗料が最も効率よく塗装できるのは、気温15~30℃、湿度75%以下と言われています。この条件を踏まえてみていくと、冒頭で述べた初夏または秋の季節が最適な塗り替えの季節ということになります。
苫小牧市の外壁塗装は初夏から秋の季節(5月~10月)がおすすめ
苫小牧市のこの季節(5月~10月)は塗料の乾燥に十分な気温と湿度が保たれていることと、暑さによる塗料の劣化がおきにくいのがその理由です。
実は外壁塗装に使用する塗料は、寒さだけでなく極端な暑さも苦手とします。外壁が高温になりすぎると、その熱で塗料が劣化し、はがれや膨れなどが発生してしまうこともあるのです。
しかし、苫小牧市内は海からの風が吹き込むため真夏でも涼しく、道内で高温となる主な要因である「フェーン現象(山を越えて暖かい風が吹き込む)」が、地理的に起こりにくい条件のため、暑い日が少なく5月から10月のシーズンを通して外壁塗装に適しています。
4月と11月は外壁塗装はダメなの?
4月と11月にも外壁塗装はできます。あくまでも上記平均気温をベースにした場合です。
4月(春)は外壁塗装にとって最適な気温には、ちょっとだけ届かない日もあるということです。外壁塗装を実施するには何の問題もありません。
さすがに平均気温で5℃を下回る日はないでしょうから、塗装が中断することもなくスムーズに進むことでしょう。
唯一気をつけたいのは強風です。春一番という定義は北海道にはありませんが、比較的風が強い日が多い傾向にあります。
また、11月(秋)の外壁塗装は、春とほとんど変わらないと思って大丈夫です。
基本的には、気温も湿度も安定しており、スムーズに作業が進むことでしょう。しかし、気をつけなければならないのが、11月の後半になっていくと気温がどんどん下がることです。
あまり冬ギリギリに実施すると、作業を強行で終わらせなければならなくなる恐れがあり、欠陥に繋がるからです。ですので、状況を踏まえて計画的に工事を進めることが重要です。
冬(12月~3月)
塗料は5℃以下では使用することができません。
そのため、平均気温が氷点下になる冬(12月~3月)は、そもそも外壁塗装の作業自体ができません。春先の工事に向けて情報収集の時期に充ててください。
外壁塗装工事の注意点
1.初夏や秋は繁忙期となるため注意も必要
初夏の季節や秋のシーズンは、外壁塗装を行う上で最適なシーズンです。
ただしこの時期は外壁塗装の依頼が殺到しやすく、予約が取りにくくなる傾向にあります。直前に見積もり依頼をすると、着工まで期間がかかってしまったり、希望する日程での施工が難しくなることもあります。またこのような繁忙期は、一般的に外壁塗装の工賃が高くなってしまうことも少なくありません。
繁忙期に外壁塗装を希望する場合は、できるだけ前もって相談と見積もり依頼をしておくことが重要です。前倒しで予約をしておけば希望する時期の施工予約が取りやすくなります。
また施工会社によっては、早期割引などを用意しているところもたくさんあります。前もって相談をしておくことで、安く依頼できるシーズンなどを教えてもらうこともできますので、外壁の劣化が少しでも気になるときは一度相談してみるとよいでしょう。
北海道は、全体的に外壁塗装に適した気候と言えますが、最適なシーズンを逃すとどのような弊害があるのでしょうか。
2.工期が延びる恐れがある(天候)
外壁塗装工事を雨が多い季節にした場合、外壁塗装工事の作業自体が中断されるので、工事期間が長くなる傾向にあります。
北海道の場合は、8月、9月が比較的雨の多い季節になります。苫小牧での外壁塗装ではそれほど問題となることはありませんが、天候ばかりは人の力ではどうしようもありません。運悪く塗装を予約していた日が雨になることも十分考えられます。そこで、工期には余裕を持っておくようにしましょう。
スケジュールを多めに見積もっておけば、多少延びても外壁塗装の品質に問題がでることはありません。
3.施行不良のリスクが高まる(時期)
外壁塗装に最適な季節を外して問題となるのが、「気温」「湿度」「水分」この3点です。これらすべてが、塗料に悪影響となるから、外壁塗装に適していないシーズンがあります。
塗料に悪影響が及ぶということは、外壁塗装の持つ力が100%発揮されないということ。これはつまり、施行不良のリスクが高まることを意味しています。
季節がよくないシーズンだと、塗装業者も閑散期にあたりますので、時間的余裕や料金なども割り引いてくれるところがありますが、リスクがあることをお忘れなく。
4.シーズンはもちろん業者の技術力、選定が大切(塗装会社)
ここまで、外壁塗装に適した季節について解説してきましたが、施行業者の力量がなければ元も子もありません。
無理に最適なシーズンに拘り、粗悪な業者に依頼するより、ちょっとくらい季節をずらしても優良業者に依頼する方が、優れた仕上がりになるのは間違いありません。
ずさんな塗装業社の場合、ちょっと条件が悪くても、工期を延ばしたくないがために工事を強行するなんてこともあります。これでは、施行不良のリスクは高まっても当然といえるのです。
優良な塗装業社かどうか見極めるポイントとして、
● 相見積もりを取る
● 施工実績を確認する
● 営業マンの対応をチェックする
● 質問に対して具体的に対応できるか確認する
● 資格や許可を持っているか確認する
● アフターフォローや保証内容を確認する
といったことを確認してみてください。もちろん皆様の判断基準がありますので、これらを参考にすればきっと納得の結果になると思います。
まとめ
北海道は亜寒帯に属することから、本州の気候とは異なる部分が多いです。北海道は梅雨がないため、一般的に忌避されがちな6~7月でも問題なく工事が進みます。夏場も本州に比べて涼しいため、作業者としても負担が少なく済みます。全体として降水量も少なく、年間を通した平均降水量も東京の約70%ほど。平均して湿度は高めですが、85%を超えることは少ないです。
ただし、気温が5℃以下・降雪量の多い冬場は物理的にも工事が行えないことが多いので、4~10月が環境的に外壁塗装が行いやすいと言えます。苫小牧市は快晴日数が少ないため、長く太陽が出ている4~7月はオススメです。