モルタル外壁のひび割れ・剥がれの補修方法

モルタル外壁のひび割れ・剥がれの補修方法

どんな形状の壁にも対応でき、好みに合わせた仕上がりにできるモルタルは、外壁の表情を豊かにしてくれます。しかし、月日が経つとどうしてもひび割れをしてしまうという特徴もあり、お困りの方もいるのではないでしょうか。モルタルのひび割れをなくすことは非常に難しく、現段階ではほぼ不可能です。そのため、ひび割れと正しく付き合っていく必要があります。

この記事では、モルタルの基本知識からメンテナンス方法まで、ご説明します。

この記事でわかること
  • モルタルの基礎知識
  • モルタル外壁の劣化状況とチェック項目
  • 火災保険の活用で費用が軽減できるかも!?
目次

モルタル外壁の基本知識

モルタル外壁は、調合する材料の組み合わせを変えることで、耐久性や仕上がりを自由に調整することができます。その構造、メリットとデメリットを紹介します。

モルタルはセメントと砂と水で構成されている

モルタル外壁とは、セメントと砂(細骨材)と水を練り混ぜてつくった材料で施工した外壁のことです。セメントが含まれているため非常に丈夫なイメージがありますが、実は、モルタル自体の防水性能は低いのです。そのため、モルタル外壁の表面に塗装をすることで防水性をもたせています。塗装が劣化してくると、徐々に水分を吸収していき、様々な劣化症状がでてきます。

モルタルにとって「水」は大敵!

モルタルに限らず、住まいにとって「水」は大敵です。建物は日々太陽からの紫外線や雨を浴びています。外壁が雨を吸収し、太陽光で水分が乾燥します。その乾燥時に収縮が起き、ひび割れが起きてしまいます。そのひび割れから、水が浸入し、乾燥時にまたひび割れが発生する、という連鎖が起きます。また、ひび割れだけでなく建物内部の柱や断熱材に水が溜まり腐食させるということもあり、重度の場合は雨漏りが発生します。

モルタルのメリット、デメリット

モルタルの基本的なメリットとデメリットについてご紹介します。

メリット

  • 意匠性に優れている
  • 質感がよく味わいがある
  • サイディングのようにコーキング(つなぎ目)がなく目地が割れる心配がない
  • 金属の外壁材のように熱くなることがない

現在、新築時に使用される建材はサイディングボードが主流となり、モルタル外壁は8.5%(2014年3月)といわれています。サイディングボードは決まった形のボードを組み合わせる為、仕上がりがある程度限られていますが、モルタルは職人さんが施工していきます。そのため、自分の好みに合ったデザイン・仕上がりにすることができます。

デメリット

  • 工程が複雑で現場で仕上げるため工期が長い
  • ひび割れが発生しやすい
  • 凹凸をつけた場合、汚れが目立ちやすい
  • モルタル自体の防水機能は低い

モルタル外壁は、現場で仕上げる為施工期間が長くなります。そして、最大の特徴は1-2でも説明した「ひび割れ」です。乾燥収縮でひび割れは必ず発生してしまいます。そこから水が侵入する恐れがあるので、定期的にメンテナンスをする必要があります。

モルタルの形成方法と種類

では、実際モルタルはどのように形成されるのでしょうか?その形成方法と仕上げの種類について、紹介します。

種類特徴
リシン塗装を吹き付けるときに、細かい砂を混ぜて吹き付けているので表面がザラザラしている。汚れやカビが発生しやすい。
使用する仕上げ材が比較的少なく済むため、費用を抑えることができ工期も短くて済む。
スタッコリシンを厚くしたような仕上がりで、凹凸が激しい。リシンと同様に汚れやすい。
高級感と重厚感を表現することができる。
吹き付けタイル吹き放し仕上げとヘッドカット仕上げがあり、ツルツルとした仕上がり。ヘッドカット仕上げは、塗料を吹き付けた後塗料が半乾きの状態でローラーを転がし玉をつぶして仕上げる。
塗り替え時、施工しやすく塗料の消費も少ない。
左官仕上げ塗料と砂を混ぜた壁材のことで、吹き付けや左官で仕上げる。アイカ工業の商品名「ジョリパット」と言われることもある。
お店など、おしゃれな建物によく使われている工法。

ひび割れ原因と危険度

モルタル自体の自然乾燥が原因でひび割れが起きます。

材料を左官で塗りつけ、家が完成した後でも、実はモルタル自体が乾燥を続けているため、築2~3年頃を目安に自然とひび割れが出てきます。

経年で必ず起きてしまいますが、乾燥しきって家の状態が整ったという証拠なので、すぐにどうにかしなくては、という緊急の症状ではありません。

但し、数年内に対策をしないと、ひびが広がってしまう可能性があるため注意しましょう。

紫外線や雨による経年劣化が原因で、ひび割れが起きます。

紫外線や雨には、表面の防水塗装の膜を劣化させる力があり、モルタルが雨を吸水するようになると、乾燥と吸水を繰り返して膨張・収縮の負荷が掛かるため、ひび割れが起きてしまいます。

このひび割れは、既に雨水を吸水しやすくなってしまっているため、早々に対策をしないと、もっとひびが増える原因になってしまいます。

③地震などの自然災害が起きた時に、揺れが原因でひび割れが起きます。

建物自体が揺れで動きが出てしまうと、歪みに耐え切れずひびが入ってしまう可能性が高いためです。

モルタルは圧力にはある程度強いですが、揺れにより想定していない方向への力が加わると弱く、特に重い瓦屋根だと揺れが強くなるため、ひび割れが起きやすいです。

被害によってはボロッと崩れてしまうことも想定されるため、その場合は早急な対応が必要です。

気象の寒暖変化が大きいことが原因でも、ひび割れが起きます。

モルタルは、通常時も暑い日は膨張・寒い日は収縮をします。

普段は影響のない範囲での動きですが、この差が激しいと、モルタルが耐えきれずひび割れしてしまいます。

また雪が多く降った場合は、その重みで変形することもあります。

ひび割れの度合いによりますが、次のひび割れが起きる前に、近いうちの対処をしておいた方が安心でしょう。

モルタル外壁の劣化症状をチェック

モルタル外壁にはいくつかの劣化段階があります。

①色あせ、変色している
②チョーキングが発生
③コケや藻、カビが発生
④ひび割れや破損が発生
⑤仕上げ材の浮きや剥がれが発生

これらの劣化症状があれば、メンテナンスを検討しましょう。

色あせ、変色の発生

モルタル表面の塗膜が劣化し、色あせがおこります。見た目の悪さだけではなく、色あせがひどいほど、塗料の性能は全く発揮されていないという証拠になります。色あせが始まったら、メンテナンスを検討し始めましょう。

塗膜のチョーキング

チョーキングとは、壁を触った際に手に白い粉がつく状態のことです。塗料の顔料が表面に粉状になって現れていることが原因です。この現象は、塗装の寿命を最も一般的に判断できる方法です。

コケ・藻・カビの発生

これも、色あせ同様モルタル表面の塗膜の劣化によって発生します。表面自体に水分を含んでいる証拠です。

クラックの発生

クラックとは、ひび割れのことで、幅や深さにより「ヘアクラック」と「構造クラック」に分かれます

種類特徴
ヘアクラック幅0.3mm以下、深さ4mm以下のクラックのことで、建物の構造、鉄筋へのサビをもたらす心配は無いので早急に補修する必要はありません。
構造クラック幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラックのことで、構造クラックから雨水が入り込み鉄筋を錆びさせる原因にもなるので補修が必要です。

浮きや剥がれの発生

経年劣化によって付着力が低下し発生します。
ここまでくると外壁を保護する機能がない状態ですので、早急に補修をおこないましょう。

モルタル外壁の補修方法

実際にモルタルに劣化症状が出た場合、どのような補修をすればよいのでしょうか。
DIYでできる方法、業者に頼んだほうがよいものを紹介します。

DIYで補修する方法

ホームセンター等に行くと、様々な補修剤が売られています。ひび割れのパターン別に紹介致します。

<1mm以下のひび割れ>

補修剤種類
防水材住宅用浸透性防水剤
住宅用浸透性防水剤スプレー

・補修の流れ

①まずは、補修部分の汚れや油分を落とし、乾燥させる。
②ひび割れとその周囲にぬれるぐらいスプレーを吹き付ける。
 ※ひび割れが広範囲の場合は液体タイプを使用し刷毛で塗ることも可能
③完全に乾いた後、塗装をおこなう。

まとめ

ひび割れの付近の壁が浮いてしまっている場合や、壁自体が剥がれてしまっている場合は、専門的な補修方法が適しているため、業者に依頼しましょう。
また、DIYで解決するような小さなひび割れであっても、ひび割れが起きていること自体建物が劣化しているという証拠なので、業者に一度見てもらうことをおすすめします。

外壁・屋根塗装に関する事なら「アイキョウ」にお気軽にご相談下さい

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この記事を書いた人

苫小牧を中心とし、プロフェッショナルな職人・営業を揃え、高クオリティな塗装工事をお約束します。
ご覧になられるお客様に少しでも有益な情報をお届けしていきます。
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